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突撃!YunBoのロボット体験記!

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レポート10

新発想!人が後ろで操るかわいいロボットCAIBAに会いにきたよ!

 
 みなさん!こんにちわ!レポートのお届けが遅くなってごめんなさい!
 さて、今回はコレまでのどのレポートとも違うロボットと会ってきたんです。そのロボットは空港などの公共の場で案内などをしてくれるサービスロボットだというのです。確かにこれまでサービスロボットは取材をしていません。でも、それだけじゃないみたい!何が起きるか楽しみでしょう?
 さて、場所は東京都品川区、JR大崎駅を降りて大きな橋を渡り、歩いていくと目的のビルへ到着しました。こんな近代的でオシャレなオフィスビルにどんなロボットがいるんだろう?う~ん、ドキドキするなぁ。

 ちょっと緊張しつつ受付を通ってからエレベーターに乗り「(株)インディ・アソシエイツ」さんに着きました。するとびっくり!オフィスの入り口が分かりません。確か近代的なビルだったはずなのに目の前にはジャングルが!(左写真)そして緑の中にプロジェクションマッピングで会社の名前が浮かび上がってきました!(右写真)入る前からまるでアトラクションです!これはもう、期待せずにはいられませんよ!

 まず、中に入るとオシャレなスタジオのようなお部屋でスタッフさんが待っていてくださいました。そして、あ!いました!なんかかわいい丸い白いおもちゃのような子が!でも、何の反応もしません。まったく動きません。(右写真)気になるけれど、まずは皆さんのお話をうかがうことにしました。

 訪問先のインディ・アソシエイツ取締役にして東京本部長の岡田さんと、一緒に出迎えてくださったのは「(有)海馬(カイバ)」の代表取締役の榊原さん。そしてもう一人インディ・アソシエイツ開発部の櫛田さんです。どうやらこの三人がこのかわいい子を作った仕掛け人のようです。

 もともと、岡田さんと榊原さんは20年ほど前から一緒にお仕事をするようになり、今に至るそうです。本来、ロボットの開発ではなく映像やデジタルサイネージ(電子広告)の分野でご活躍されているそうです。ロボットに携わるきっかけは、榊原さんによれば開発環境が手元に下りてきた、という表現でしたが、以前はロボット開発のハードルが高く簡単なことではなかったけれど、近年ハードウェアの開発が進み環境が整ってきたため、技術的な興味からロボット開発に取り組み始めたそうです。

 そうして開発されたのが、CAIBAです。3年ほど前から構想があり、ハード部分は既存の部品を組合せて作った小さな骨組みだけのものをテスト的に動かして形にしてきました。そして、2016年の羽田空港のサービスロボット実装プロジェクトで発表したのが「エアポート・コンシェルジュ“CAIBA”(カイバ)」です。
 羽田空港のプロジェクトというのは、公共の場面に様々なサービスロボットを導入するため、公募により各種サービスロボットを集めて、羽田空港ロビーを使って実証実験するというものです。CAIBAも骨組みだけのスタイルに、かわいい身体をつけて実装スタイルとなりました。

 さて、いよいよCAIBAを動かして見せてくださることになったのですが、そこへ登場したのがエースパイロットの加藤さんです。ん?パイロット?ロボットに乗るの?と驚いていると、加藤さんは壁際の椅子に座り大きなアイマスクとヘッドフォンを装着、両手に丸いハンドルのような装置を持っています。(写真④)ますます、不思議!そうなんです、なんと、CAIBAは、ロボットといっても、背後で人間がコントロールするロボットなんです!

 ホントだ!加藤さんが動くとその動きに合わせて目の前のCAIBAが動き始めました。ユンボの近くに来たので「こんにちは」と声をかけると「コンニチワ」とちゃんと返事をしてくれます。手を出すとCAIBAも腕を出して握手ができます。こちらの動きや声掛けに対してちゃんと適切に反応します。それもそのはず、パイロットがロボットを操っているのです。(左動画)
 CAIBAは、ロボットの機械っぽい音声で話してくれますが、実はパイロットさんが話す言葉をそのまま変換しているのです。パイロットさんへはCAIBAが見た風景がそのまま見えており、聞いた音がそのまま伝わっています。わ~!だからこそタイムリーなコミュニケーションが可能なんですね!!今は同じスタジオ内ですから直接その様子を見ることができていますが、インターネットで通信可能な環境であればどんな遠隔からも操作が可能なんですって!

こんなロボットCAIBAが空港で何をするのかって言うと、その特性を活かして公共空間で困っている人を助けたり、質問に答えたりできます。腕を動かして方向を指し示すこともできますから道案内も出来るんですね!(左下写真)


 公共空間で発生する問い合わせや困り事は個々に違い多種多様ですから、瞬時に判断して人間と同じように答えることはAI(人工知能)搭載のロボットではまだまだ難しいことです。それなら人間のスタッフが公共空間で案内をすれば良いんじゃない?と思いますが、空港のような広い場所へ大勢のスタッフを派遣する事は人手不足の昨今では大変厳しいことです。タイムリーにその場所へ駆けつける事も難しいですよね。でも、数台のコミュニケーションロボットを統括センターでコントロールできるということは、その課題を解決する一つの方法となりそうですね。

 CAIBAはとてもかわいいフォルムで愛らしい表情やしぐさが特徴ですが、コントロールするパイロットは外からは見えません。例えば、歩行が困難な高齢者さんや障害をお持ちの方でもコントローラーを持てば、ロボットとなった自分が公共空間を動いて活躍できるんです。開発者の榊原さん達も、ご自身が高齢者となった時にも現役で働くことが出来る、その機会の一つとなる事を考えたとおっしゃっていました。なるほど、公共空間では小さな子供達がCAIBAハグしてくれたりします。どんな方でもCAIBA を操縦している時はいつもの自分より活発に会話するそうです。元気になる効果もありそうですね。

 最後に、ユンボもCAIBAを操縦させていただきました。慣れないうちは恥ずかしいですが、だんだん楽しくなってきました!まだ実験段階ですが、いつか、本当に空港でCAIBAに会える日が来たら、その時は空港で活躍しているCAIBAに会いに行こうね!
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