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突撃!YunBoのロボット体験記!

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レポート7

髙丸工業(株)さんのロボットセンターを見てきたよ!その2~企業訪問シリーズ②~

 
 さて、前回に引き続き、ユンボは髙丸工業さんの工場に来ています。前回は併設のロボットテクニカルセンター(RTC)のロボットスクールの様子などを報告しましたが、このセンターは「産業用ロボットの総合ステーション」としてもの作りの現場を支えています。様々なメーカーのロボットが12台常設してあり、溶接や切断、ハンドリングなど、用途に合せたロボットの動きなどを見ることが出来るようになっています。
 髙丸社長には「ロボットメーカーではない企業だからこそ、お客様のニーズに沿う、最適なロボットを選んでシステムを造り上げることが出来る」という持論があります。つまり、ロボットメーカーの場合は顧客のどんな要望にも自分のところで作っているロボットで対応する事になりますが、ロボットの種類や特性に対する作業の向き不向きを考えて選ばなければ最適なシステムとはならない場合があるということです。例えば、重たい物をたくさん動かす物流倉庫や、繊細で正確な検査が必要な研究室など、産業の場面は様々です。最適なシステムを作るためには、たくさんのロボットの中からそれぞれの特徴を知り、最も適切なロボットを選択することが必要なのですね。なるほど、そのためにも、色々なメーカーの色々な種類のロボットを見ることが出来るセンターの役割は大きいですね。
 奥のほうにはずいぶん大きなロボットも見えるな~と、たくさんのロボットに次々と目を奪われていた(左写真)のですが、ふと見るとビニールをかぶった真新しいロボットも見えました(右写真)。 髙丸工業さんでは、この西宮のセンターに続いて東京に新しいRTC開設の準備をしています。(この提案は「H28年度ロボット導入促進のためのシステムインテグレータ育成事業」に採択されています。)そちらに常設するためのロボットシステムをこの工場で作っています。まだ作成途中やデモンストレーションの調整中のロボットもありますが、センターの常設ロボットと併せてそれらも見せていただくことができました。

 まず、ロボットの種類も簡単におさらいします。垂直多関節というのは、産業用ロボットでは一般的で、6軸、7軸と複数の関節があり、色々な方向にアームを動かせる仕組みを持ったロボットです。アームの先に用途に合わせたハンドを装着して使います(左写真)。この写真の垂直多関節ロボットは「溶接ロボット」です。前に置かれた傾斜回転ポジショナーという装置に溶接する部品(ワーク)を装着すると、傾いたり回転したりして適切な角度や位置に部品側を動かして、溶接ロボットが最適な角度で作業が出来るように工夫しています。
 こちら(右写真)の垂直多関節ロボットは「鏡板切断ロボット」といって、ロボット前に置かれたターンテーブル上の鏡板の曲面に穴を開ける事ができます。このような三次元の作業をロボットに教え込む(教示)事は非常に難解とされていたそうですが、こちらで開発された簡易教示システムでは必要な数値を入力すると、ロボット自身が三次元プログラムを作成し、曲面に印付け(ケガキ)、プラズマ切断で穴を開けるのです。入力する数値を変えることで必要な場所やサイズの切断を行えるそうです。すぐに計算できるなんてすごく頭が良いんだね!
 さて、これ(左写真)はスカラロボット(水平多関節ロボット)といって関節が土台に対して水平に回転し作業部は上下に動きます。現在調整中のようですが、このロボットは作業部分にネジ締めドリルを装着しており、ネジがフィーダー(部品供給機)を通って整列して出てくると、ドリルが作業台のワークにネジを打って締めます。連続した早い作業が可能だそうです。
 それから、動画をご覧いただけましたか?(調整中のため動画ではとてもゆっくりでしたが実際は早く動くんですよ。)大きな垂直多関節ロボットが、段ボール箱を、吸着ハンドで持ち上げ、前に置かれたローラーに置くと荷物が自然にローラー上を反対の端まで移動します。このローラーは電動のコンベヤのような動力はありません。設計や製造現場の皆さんが、何度も調整と実験を繰返した結果の絶妙なバランスで、なんと!今日ようやく成功したそうです。偶然見せていただけてラッキーでした!皆さんもとても嬉しそうでした。


 RTCでは、各ロボットの特徴や特性を活かしたデモンストレーションが行えるようにシステムを作り、常設していますが、完成までには何度も根気よくテストを繰返して実現するのです。あとでお会いした工場長の矢野さんが、「みんな本当に良くやってくれているよ。あの、ローラーのデモは奇跡のようなもので、メーカーも無理だと言ったくらいだから。」と胸を張って皆さんを褒めていたのが印象的でした。
 それから、髙丸工業さんの工場では、相談、注文を受け、企業の現場で使われるロボットのシステムだけでなく、重工・造船向けなどの大きな工場内設備を作ることもできます。(左写真・上)大きな工場の高い天井に設置された大きなクレーンが見えますか?このクレーンがあるので、どんなに大きなシステムもここで組み立てて完成品を運べるそうです。顧客の注文に応じてロボットの台にきれいな色を塗ったりもしていました。(左写真・下)これら工場等で使われるシステムについても、相談された時に、髙丸社長のアイディアが力を発揮するそうです。例えば、現在人間がやっているこの溶接の作業が大変だから代わりにロボットにやらせよう、という考えだとその溶接作業を人間に代わって行なうロボットが出来上がると思うのですが、ロボットは人間と違ってとっさの変化に対応ができませんから、予め決められたものと違う形のワークが出てきたら作業ができなくなります。そこで、デモ機にあったようにロボット側ではなく作業の台が動いてロボットが同じ姿勢で溶接作業が行えるようなシステムを作ることで色々な形のワークに溶接が行えます。このように多くの斬新なアイディアを取り入れ、これまで難しいとされてきた分野へのロボット導入を行っています、と総務の皆さんからもお話をうかがいました。
 なるほど、さすがは鳥人間コンテストに5回も出場しているチャレンジャーです。新しい発想が新しいシステムを作っていくんですね。
 ユンボは、紹介しきれないくらいたくさんのロボットを見せていただき、本当に感謝でいっぱいになって髙丸工業さんを後にしました。
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