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突撃!YunBoのロボット体験記!

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レポート8

福祉や介護の世界で活躍するロボットに会ってきたよ!~国際福祉機器展2017~

 
 みなさんお元気ですか?ユンボのレポートはこのところ、企業さんへの訪問が続いておりましたが、久しぶりに展示会をのぞいて来ました!今回は、国際展示場、東京ビッグサイトで9/27~29に開催されました「国際福祉機器展2017」へ行ってきました!高齢者や障害者の自立生活を支え社会参加を促すため、福祉機器はとても重要な役割を果たしています。そして、その進化や進歩は目覚ましく、たくさんのロボットが福祉機器に使われるようになって来ています。さあ、どんなロボットに出会えるのかな?と出かけてきました。

 東展示ホールを埋め尽くして、一般的な介護用品のほか食品や衣類などから車椅子や介護用ベッド、さらに大きな福祉車両や住宅を改修する機材までもが並んでいます。見学者には車椅子で回られている方も多く見られました。あまりに多くの出展数のため、ユンボは迷ってしまいそうになり取材許可をいただけた場所を中心に見ることにしました。
 「ロボット介護機器開発・導入促進事業」と題されたブースでは「AMED(国立研究開発法人 日本医療研究開発機構)」が経済産業省から補助を受け、ロボット介護機器の開発企業への支援や、大学や研究室、医療や福祉の専門分野へ委託しロボット介護機器に関する安全の基準作りなどをしています。ブース内には案内のパネルや、福祉の用具が置いてあります。福祉の世界ではどんなところにロボットが使われているんでしょうか?
 

 介護ロボットというと、まずはコミュニケーションロボットが思い浮かぶのではないですか?やっぱり、ここにもいましたよ!小さいぬいぐるみがちょこんと座っていますが、この子もロボットなんですね!(株)レイトロンの「チャピット」という音声認識コミュニケーションロボットです。動画をご覧ください。係りの方が話しかけるとかわいい声で答えてくれます。「電気をつけて」と頼むとちゃんと点けてくれるような「家電コントロール機能」を備え、会話だけでなく生活をサポートしてくれます。この企業では画像認識による高齢者見守りシステムを開発し、危険を察知して通報しますが、チャピットを連動させ声掛けもできるそうです。故意に寝転んだ場合と急に倒れこんだ時の違いを見分けて本当の危険を見逃さないようにプログラムされているんですって!



 その奥に行くと、天井に渡したレールからロープで吊るされたジャケットを着ている方がいて、話していたら急に転んだので驚きました。え!?単純に吊るしたロープで転ぶのを防ぐのかなと思ったのですが、ロープは天井のモータに連動して転倒した時のスピードを「加速度センサー」で反応、普段はゆったりと着用しているジャケットに知らせると背中のロープがキュッと締まり緩やかに転倒させることができます。激しく急な転び方をしたら高齢者の方は骨折などをしてしまいますから、緩やかに怪我を防いでくれるのです。開発しているのはサンヨーホームズ(株)のライフサポート事業だそうです。デイサービスなどで実際に活用していて、ロープにつながっていても意外と自由に歩き回れるそうです。
 
 その先ではずいぶんスタイリッシュな色と形の機器を操作している人がいます。(右上写真)RT.ワークス(株)で開発した「ロボットアシストウォーカーRT1」屋外での歩行をアシストしてくれるロボットです!一般的な歩行車とは一味違ったデザインでおしゃれで洗練されています。これなら見た目を気にして介護機器を使いたくないという方にもお勧めできそう!でも見た目だけじゃありません。ハンドルに手を添えるだけで使う人の動き、道路の状態も検知してアシスト。坂道で手を離したら自動でブレーキが掛かり重たい物を載せても座っても大丈夫。もちろんIoT機能で見守りや緊急通知もできます。さらにコンパクトなRT2もできました。この他に屋内の移動や立ち座りをサポートする屋内型ロボットウォーカーは実演してもらいました。自然な姿勢の前かがみでゆっくりとサポートしています。
 

 同じように立ち座りをサポートするその名も「Hug(ハグ)」です。こちらも実演してくれました!富士機械製造(株)で開発されたこの装置は、介護施設などで介護士さんが高齢者さん等を抱きかかえて移動や移乗を行う動作を代りに行います。まるで人の腕が抱きかかえるような形になっているバーに体を預けるとゆっくり抱え上げてくれます。そのままの姿勢で保ってくれるので、介護士さんがお着替えなどを手伝うのも容易です。介護される方も安心して身体を預けられますよね!


 介護士さんの負担を減らすためのロボットもありました!「HAL(ハル)」と言ってCYBERDYN(株)で開発している装着型のロボットです。介護士さんは中腰で介護、介助動作を行うことが多く、繰り返し長時間の労働になる事もあり、腰を痛めてしまうことがとても多いのですね。これは腰に装着すると、生体電位信号(動こうとした時わずかな電気信号が脳から筋肉へ流れる)を皮膚から読み取って動きたい動作をサポートします。そんな事が出来るんですね!びっくりです。防水機能でお風呂の介助でも役に立つそうです。これまでのパワースーツのような物は大きく重く装着が大変でしたが軽量コンパクト、見た目もスマートですね!
 介護の中でも排泄の問題はデリケートです。高齢や身体の不自由な場合でも、出来るだけ自分でトイレに行く事ができたらいいですよね?ベッドのそばにトイレがあれば安全に排泄できる場合があります。(右写真)アロン化成(株)で開発している「キューレット」は、ロボット機能を備えた水洗トイレだそうです。真空の力で処理し、センサーにより排泄物の量等を検知します。
 他にも、介護用ベッドが寝ている人の生体反応を検知する見守り方式や、ライトになっていて一人暮らしの方の生活状況を端末へ通知する通信機能のある見守り機器等がありました。全体に「安全」がテーマになっており、高齢者や障害者の生活を安全に支援する福祉用具にロボットの機能を持たせることで、介護される側へも介護する側へも配慮して、より機能的に発展してきているように感じました。

 最後に、会場を歩いている時、かわいいロボットに出会えたので紹介しておきますね。富士ソフト(株)のコミュニケーションロボット「PALRO(パルロ)」です。この子は大輔君と名前がついていましたが、他にもたくさんのPALROが展示され話したりダンスを踊ったりしていました。100人以上の顔と名前を覚え、名前を呼んで会話ができるので、多くはデイサービスのような場所でダンスやクイズなどレクリエーションや健康体操を行うなど活躍しているんですって!高齢者さんが楽しそうに会話している映像も見れました。

 さて、本当はもっともっと紹介したい福祉用具がありましたが、今回はこの辺で!ユンボもとっても勉強になりました!ご説明くださった皆さま、本当にありがとうございました。


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